ノームの森~The Forest of Gnome~

(作)梶木かじき遊仁ゆうじ

一度潜ったら出てこない。 ネンリンモグリガメ

蛙ヶ池だけに生息する不思議な生態のカメ。「ネンリンモグリガメ」の紹介

基本情報

名前
ネンリンモグリガメ
モグリガメ科
大きさ
60cm
生息地
蛙ヶ池

リクガメの様なモグリガメ

モグリガメは、リクガメの様に丸く大きな甲羅を持ちながら、ヌマガメの様に水生性の珍しい生態の亀です。特にネンリンモグリガメは、長い時間息継ぎをしないで水に潜ることのできる変わった亀なのです。長い時間息継ぎを必要としない理由は、一説には、心臓の鼓動が非常にゆっくりであり、代謝のリズムが非常に緩慢であるため…と言われています。そのため、この種は非常に長生きなのです。

甲羅はとても重く、水に潜るのに適しています。特にこのネンリンモグリガメは、腹甲がとても密度が高く重い素材で出来ており、安定して水の中に潜ることができる様になっています。

ネンリン

一般に人間の世界では、カメの甲羅を「頂甲板」「椎甲板」「縁甲板」の3つの種類に分けていますが、ネンリンモグリガメは、個体によってこれが一定ではありません。ですので、ノームの世界では「内甲板」「縁甲板」という分け方をします。「内甲板」は五角形や六角形の様な形の「単甲板」が組み合わさることで半球体を構成します。

ネンリンモグリガメの「ネンリン」は、「単甲板」の模様が由来ですが、その名の通り、この輪の数でおおよその年齢がわかります。年輪は内側から増えていき、一定期間毎に区域を構成し色が変化します。この区域を「甲輪域」と呼び、一番外側の甲輪域の色が、そのカメの本来の甲羅の色であり、これを「主輪域」と呼びます。色が変化した区域は「副輪域」と呼ばれています。この様に色が変化する甲輪域がある理由は、まだわかっていません。

研究者の悩み

ネンリンモグリガメは、非常に長生きであるため、繁殖サイクルもとても長く、数はとても少ないと言われています。正確な生息数を確認することが非常に難しい生きものなので、未だにわからないままなのです。何故なら、このネンリモグリガメは、一度水に潜ると、何日、何週間、何か月もの間、水から顔を出すことがなく、老齢になるにつれ潜水時間が長くなる傾向にあるからです。現在確認されているだけでも、最長で1年近く潜ったままの個体もおり、何匹のネンリンモグリガメが生息するのかを実際に数えるためには、池の中に潜って数えるしかないのです。このことは、動物学協会の専門家たちを悩ませる要因となっています。

そんな研究者たちの悩みをよそに、一般のノームたちにとっては「出会えたらラッキー」「幻の生きもの」という具合に“珍獣”として知られて、熱心なファンもいる様です。特に、最長老のカメは「古年輪(ふるねんりん)」と呼ばれており、伝説級の珍獣として親しまれているのです。