ノームの森~The Forest of Gnome~

(作)梶木かじき遊仁ゆうじ

ノームの森の生活を支える縁の下の力持ち ハイアーベリー

世界樹を中心に、森の樹上で繁茂する不思議な力を秘めたベリー“ハイアーベリー”を紹介

基本情報

名前
ハイアーベリー
オレンジベリー科
大きさ
実の大きさ/1cm~1.5cm
生息地
世界樹周辺の樹上

樹上で育つベリー

ハイアーベリーは「オレンジベリー」(通称:サンセットルミナス)を原種としており、世界樹の中腹にある大穴での栽培がきっかけで生まれた種です。種と大げさに言いましたが、地上で育ててれば、オレンジベリーとして育ちますので、人間で言うところの“ブランド”に近いかもしれません。ノームの世界には“ブランド”という概念がありませんので、種として扱われている様です。
世界樹の大穴から伸びたオレンジベリーは、世界樹の不思議な力によって数kmというとてつもない長さに成長します。世界樹を中心に、周辺の森まで広がり樹上で生育することから「ハイアーベリー」と呼ばれています。世界樹の力によって不思議に育っていることも、種として認定されている要因かもしれませんね。

ノームの森のもう一つの主人公

ノームの森に住む住人にとって、ハイアーベリ―は無くてはならない存在です。とりわけ、ノームたちにとっては、最も生活に密着した植物と言えます。生活のあらゆる場面でハイアーベリーが関わっています。例えば、ノームが被っている三角帽のオレンジ色は、ハイアーベリ―の実の皮を主原料に作られており、この染料で染めると丈夫で長持ちすると言われています。また、ノーム達の食べ物の「干しベリー」は、ハイアーベリ―の実を干してつくり、ハイアーベリーの若葉の塩漬けを巻いて食べます。「ファトライム」という飲み物は、ハイアーベリーの実の皮を外し、中身だけを発酵させて作りますし、ノームの家の屋根の塗料も、ハイアーベリーから作られます。そして「幸運のキノコ」の鮮やかな赤色は、ハイアーベリーを使用して作られる肥料に由来します。挙げればキリがありません。それほど、ノームの森の住人にとって重要なものなのです。

オオモンサンセットアゲハ

そんなハイアーベリーですが、春先から初夏にかけてオオモンサンセットアゲハの食害にあいやすくなります。このアゲハはオレンジベリーに好んで卵を産みますが、ハイアーベリーも同様です。孵化した幼虫は食欲旺盛で、成長と共に大型化して食べる量も増えていきます。放っておくと、葉っぱがどんどん無くなってしまい、成長を妨げてしまいます。ですので、この時期は、毎日のチェックは欠かせません。卵や幼虫を見つけると、丁寧に捕獲して専用の飼育場に持っていかれます。ここでは、オレンジベリーや間引きしたハイアーベリーの葉が与えられ、人間の世界で言うところの“蚕”の様に大切に育てられます。このオオモンサンセットアゲハの蛹の抜け殻は、染料や保護剤の原料として重宝されているからです。成虫になったこのアゲハが一斉に放出される様子は圧巻で、ある種のお祭りの様になっています。