ノームの森~The Forest of Gnome~

(作)梶木かじき遊仁ゆうじ

ファットベリーヒルの身近な蛙・ヤッポロンアメガエル ヤッポロンアメガエル

ファットベリーヒル周辺に生息する身近な蛙“ヤッポロンアメガエル”を紹介

基本情報

名前
ヤッポロンアメガエル
アメガエル科
大きさ
4cm~5cm程度
生息地
ファットベリーヒル周辺

増水期から動きだす湿地帯のコーラス隊

人間の世界には『アマガエル』というカエルがいますが、このカエルは『アメガエル』と言って、雨の様な背中の模様が特徴的なので、その名前がつきました。この模様は、おたまじゃくしのときから、背中にあるので、一目で「ヤッポロンアメガエルのおたまじゃくしだ!」とわかるのです。
春から夏になるころ、山からの雪解け水がどんどんヤッポロン河に流れ込み、河の水が増えるのです。すると、ファットベリーヒルのヤッポロン河に面したところには広い広い湿地帯ができます。湿地帯ができあがると、木や草に産みつけられたヤッポロンアメガエルの卵がいっせいにかえりはじめます。そして、湿地帯はたくさんのおたまじゃくしでいっぱいになるのです。早いおたまじゃくしで夏の中頃から、おそいおたまじゃくしで秋のはじめ頃までに大人になります。大人になったヤッポロンアメガエルは、パートナーを見つけるために、夜になると『歌袋(うたぶくろ)』というほっぺの袋をふくらませて大きな声で鳴くのです。それはもう、にぎやかなのです。秋になるころに、この歌声は最もにぎやかになります。ファットベリーヒルに住むトロールのピグミー・ピグミー族は、この声を聞くと、秋の準備を始めるのだそうです。

ピグミー・ピグミー族の子どもの身近な存在

ピグミー・ピグミー族にとって、このカエルはとても身近な生きものです。とくに子どもたちにとってはとびっきり楽しい遊び相手。そして、ピグミー・ピグミー族の子どもたちは、このカエルとの遊びを通じて、いろいろなことを学んでいきます。まず一番最初に大人たちに教えてもらうのは、よく似たドクガエルとの見分け方、ヤッポロンアメガエルの近くにいるドクヘビの見つけ方、ヤッポロンアメガエルを餌にしたナマズの釣り方です。ピグミー・ピグミー族は、ヤッポロンアメガエルとのふれあいを通して、命のつながりや、生きていくための知識と知恵を身につけていくのです。
子どもたちもまた、自分たちで考えて、ヤッポロンアメガエルとのふれあい方を見つけて遊び、成長していくのです。…でも、ヤッポロンアメガエルは『放っておいて…』と思っているかもしれませんね。

“カエルの指揮者”

このノームはピグミー・ピグミー族の子どもに教えてもらった『カエルの指揮者』という遊びを試そうとしています。
準備は、簡単。ちょっと長めの棒の先に糸を結びます。その糸で、ミミズをしばったら、何匹かのヤッポロンアメガエルを捕まえて、一ヶ所に集めて並んでもらいます。カエルの前でチョロチョロと棒を振って見せると、カエルは、ミミズが欲しくて「ケロケロ」と鳴くのです。リズムに合わせて、カエルを「ケロケロ!」と鳴かせていきます。まるで、合唱の指揮者になった気分。
コツは、ミミズを取られないように、反対の手でガードすることです。右のカエルの前でチョロチョロ、真ん中のカエルの前でチョロチョロ、左のカエルの前でチョロチョロ。そうやって、カエルの「コーラス」を楽しんで遊ぶのです。へたな人は、直ぐにミミズを取られて終了。案外難しい遊びかもしれませんね。