怒ると怖い、草原の音楽家 オレンジホッパー
ファットベリーヒルを中心に生息する大型のバッタ“オレンジホッパー”を紹介

基本情報
- 名前
- オレンジホッパー
- 科
- バッタ科オレンジホッパー属
- 大きさ
- 4cm~7cm
- 生息地
- ファットベリーヒル・猫の森
オレンジホッパー

オレンジホッパーは、ファットベリーヒルや猫の森に生息するオレンジ色のバッタです。割と大きなバッタで、食欲も旺盛。ファットベリーヒルのトロールたちが栽培する植物の葉も良く食べます。特に柔らかい葉を好み、オレンジベリーの若葉は、注意を怠ると、このバッタに根こそぎ食べられてしまうこともあります。他にも野菜の葉も食べてしまうので、トロールたちは注意を怠りません。
春になると、地中の卵が孵化し、赤ちゃんバッタが一斉に出てきます。バッタはカマキリなどと同様に「芋の虫の様な幼虫」という形ではなく、親と同じ形のまま生まれてきます。生まれたばかりの赤ちゃんバッタは5mm程度の小さなバッタですが、既に優れたジャンプ力をもっています。トロールたちは、出てきたばかりの野菜の双葉が食べられてしまわない様、色々な対策をして共存しているのです。
音楽家としての一面

そんなオレンジホッパーですが、群れではなく単独で生息しています。1匹1匹の距離を保ちながら、仲間同士の衝突を避ける様に暮らしています。とはいえ、ファットベリーヒルは広大なため、かなりの数のオレンジホッパーが生息していると思われます。
秋口は産卵時期なのですが、1匹1匹の距離を保ちながら生息する習性が、オスとメスの出会いの確立を下げてしまっています。そこで、後ろ脚を上手に使って音を発し、互いにコミュニケーションをとる様に進化したのです。これにより、効率的に出会いの機会を増やしているのです。この時期、夜になるとキレイなオレンジホッパーの“声”がファットベリーヒルと猫の森に響き渡ります。
無事に産卵を迎えたメスは、地中にお腹を差し込んで丁寧に産卵していきます。大体、20~30個の卵を産むとされています。
産卵を終え、冬を迎えると、大半のオレンジホッパーは寒さで死んでしまいます。稀に、何かの陰で越冬し、生き残る個体もいますが、数は多くありません。
革命相と従属相

通常は大人しいオレンジホッパーですが、食べるものがなくなり飢餓状態に陥ると、生息数の0.1%程度の個体が「紅化(べにか)」という変化をおこします。この「紅化」した個体群を「革命相(かくめいそう)」と呼び、その他の普通の個体群を特別に「従属相」と呼びます。革命相の個体は、羽、筋肉が異常に発達、逆に後ろ脚が少し短くなり、飛翔に優れた体形に急激に変化します。そして、伸びた触角から特殊な音波を発生し、普通の個体、つまり従属相を従えさせる能力を身に付けます。
革命相の個体は飛び回りながら、自分に従属する個体を増やします。小さな群れが統合しては大きくなり、徐々に一つの巨大な群れへと変化します。怒りに狂った様に革命相の個体は飛び回り、従属相はそれに従います。やがて空を覆いつくす程の群れに成長し、ただひたすらにグルグルと飛び続けます。飲み食いをせずに飛び続けると、飛翔能力に劣る従属相の個体から力尽きて死んでいきますが、最後の革命相の個体が力尽きて落ちるまで飛び続けます。そして、あたり一面、オレンジホッパーの死骸で覆われてしまうのです。この大地を覆う死骸は、また別の災害を引き起こす原因になってしまいます。
過去に一度だけ、この現象が確認されました。それは、ヤッポロン河の氾濫をきっかけに、様々な連鎖災害を起こしたのですが、オレンジポッパーも、その一部を担ったのです。これは『ファットベリーヒルの連鎖災害』と呼ばれ、歴史に刻まれることになるのです。