ノームの森~The Forest of Gnome~

(作)梶木かじき遊仁ゆうじ

近頃ノームの森で流行っているツリーハウス ノームのツリーハウス

近頃、ノームの森で流行っているツリーハウスを紹介

ノームの森のツリーハウス

『世界樹』に守られた森は、ノームや他の住人たちにとっては、とても安全な場所です。ですので、ノームが遠くに出かける時は、ひと昔前まではキャンプスタイルが普通でした。でも、最近は、ツリーハウスが流行(はや)りはじめました。トロールの種族のひとつである『ゴーツホーン族』の若者が、趣味で作ったミニチュアハウスをツリーハウスとしてノーム達にあげたことがきっかけでした。この『ゴーツホーン族』の若者は、ミニチュアハウスを作っては森の中のいろんな所に設置してまわってます。同じトロールの『ピグミー・ピグミー族』は昔ながらのキャンプスタイルが好きなようで、『ピグミー・ピグミー族』には人気がでませんでした。でも、誰でも使えるので、そのうち人気が出るかもしれませんね。今回は、そのツリーハウスの3つの種類をご紹介します。

鳥の巣箱型

今、一番数が多いのが、この『鳥の巣箱型』です。手ごろな大きさの枝さえあれば、ハウス自体は割と好きな様に作っても簡単に設置できるのでお手軽なのです。『ゴーツホーン族』の若者は、とにかく作りたい時にハウスだけを作り、設置場所を後から探す…、というやり方をしていて、この型が一番多くなっているのです。

ちょっと失礼して、中がどうなっているか見てみましょう。ツリーハウスは、宿泊所みたいな使われ方をしていて、ハウスの中はとてもにかんたんな作りになっています。家具も、ベッド、いす、テーブルだけといった簡素なもので、これらの家具は、ノームたちが準備しています。中には、このハウスの様に、木の“ウロ”を上手に利用した造りになっていることもあります。このノームは、ここで何泊かするみたいです。どこか目的地があるわけでもなく、このハウスに泊まりにくるのを楽しみやって来たそうです。ちょっとしたレジャーですね。

ハチの巣型

『ハチの巣型』は、事前にハウスを作り、後から設置場所を探せるという点で、『鳥の巣箱型』と同じですが、まだまだ数はそんなに多くはありません。なぜなら、このハウスはおもしろいアイデアで設計されていて、少し複雑な造りなのです。なんと、真ん中の柱を中心に、水平方向に中から自由に回転させることができるのです。ノームの小さな力で、ハウス全体を回転させるため、複雑な仕組みが組みこまれているのです。そのおかげで、今日はあっちの景色を見ながら寝て、明日はこっちの景色を見ながら寝る、といったちょっと贅沢(ぜいたく)な使い方ができるのです。

このハウスは、複雑な仕組みがあるため、ただ枝からぶらさがっているわけではなく、枝にしっかりと固定されています。『オリハルコン』の支柱に、木製の支柱を被せ、これを『オリハルコン』製のワイヤーで枝にしっかり固定します。この固定方法は工夫されていて、木の成長の邪魔(じゃま)になりません。このしっかりとした固定のおかげで、よっぽどの風が吹かない限り、ゆれることは少ないです。まれに、リスが飛び乗ってビックリする…くらいです。それでもビクともしないです!

木のウロ型

一番数が少ないのが、木の“ウロ”の内部にピッタリと合わせて作る、『木のウロ型』ハウスです。これは『ゴーツホーン族』の若者が、気に入った“ウロ”を探し、見つけ出した“ウロ”のそばでキャンプをしながら作るものですから、手間ひまのかかるハウスなのです。中には2階建てのハウスもあります。この森広しと言えども、まだ数軒しかないのです。しかし、なぜか3つのタイプの中では、ノーム達の人気はいまひとつ。このハウスが好きだというノームは熱烈(ねつれつ)に好きですが、多くはありません。「なぜか?」って?それは、ノームが高いところでお泊まりをするのが大好きだからです。普段住んでいる場所とは違う場所を楽しみたいのでしょう。

そんなノームに関係なく『ゴーツホーン族』の若者は、この型のハウスが完成すると大満足なのです。3つの型の中で、一番難しく、一番大変で時間もかかるので、職人の血がさわぐのでしょう。そんな気持ち、くみとってあげてください。